過活動膀胱
過活動膀胱は様々な原因で膀胱が過敏な状態になる病気です。
急に強い尿意を催しあわててトイレにかけこみホットひと息。やれやれと安心したのも束の間、またもやすぐ尿意がでる。家事や電話中にもすぐトイレに行きたくなることがあるし、会議中にもヒヤヒヤしたり、ひどくなると不安のせいで仕事にも身が入らず、夜には何度も目が覚めてしまう、このような「トイレが近い、トイレまで我慢するのが大変」という症状(頻尿、尿意切迫感)を感じたり、なかには尿意をがまんできずに漏れてしまう(尿失禁)という方が結構おられます。
文字通り「膀胱が活動し過ぎる」つまり、膀胱内に尿がそれほど溜まっていないのに排尿筋が収縮して、急に尿意を催し頻尿を招く病気です。
原因はまだよくわかっていませんが、加齢や精神的ストレスの他、溜った尿の量を感知する膀胱のセンサーが過敏になっている可能性、脳の中にある排尿を司る部分や、自律神経の乱れなど、いろいろなことが関係していると考えられています。
この病気は命を左右したりする病気ではありませんが、周囲の人が考える以上に本人にとってはつらいものです。トイレの不安の為に外出を控えたり、尿失禁してしまう自分が情けなく思えたりします。大きな病気ではないが、QOL(生活の質)がひどく低下してしまうことが特徴です。過活動膀胱では薬による治療が一般的です。膀胱を収縮させるアセチルコリンという物質の働きをブロックすることで膀胱の過敏な収縮を抑える、抗コリン薬という薬が主に使われます。薬の効果、副作用など、経過を診ながら治療します。