前立腺肥大症
前立腺肥大症の症状は?
- 夜中にトイレに行くために起きるようになった。そのためになかなかよく眠れない。
- 仕事や会議中にすぐトイレに行きたくなる。トイレが近くなってドライブや旅行でトイレが心配だ。
- おしっこした後もまだ残っている感じがする。
- トイレに向かってからおしっこがでるまでに時間がかかる。
- おなかに力を入れないと排尿できない。
- おしっこの勢いが弱い。
- おしっこの切れが悪くてパンツにチョロっともれることがある。
- おしっこを我慢するのがつらい。
- 急にトイレに行きたくなり間に合わないかとヒヤヒヤする。時にチビることがある。
歳をとるとあちこち体の機能が低下してくるのを実感する様になります。50歳を過ぎたあたりからおしっこの出具合についても若い頃と違うなと感じる男性が多くなります。
「歳のせいだからしかたがない」とあきらめている方も多いのですが、普段の生活や仕事に支障を感じるほどの不具合になるとそれは正常な老化現象とは言えません。
これらの排尿障害の原因で最も多いのが前立腺肥大症によるものです。(前立腺がんでも同じ様な症状がでてくることがあります。)
前立腺とは?
前立腺は男性だけにある生殖器の一つで膀胱のすぐ下にあり尿道をドーナッツ状に取り囲んでいます。正常な前立腺は栗の実ぐらいの大きさで、重さは成人男性で15~20g前後です。前立腺では精液の一部である前立腺液を作っており、精子の運動に大切な作用をしています。また尿を漏らさないようにする括約筋的な作用ももっています。
前立腺肥大症と前立腺がん
前立腺は、尿道に近い部分にある内腺と、その周囲の外腺とで構成されています。
前立腺肥大症の大部分は内腺より発生し、前立腺がんの多くは外腺より発生するとされています。前立腺肥大症は良性腫瘍であるため、早めに治療を行いさえすれば、生命にかかわる病気ではありません。
一方、前立腺がんは、悪性腫瘍で生命に大きな影響を及ぼします。しかし、前立腺肥大症と前立腺がんは別個の病気であり、前立腺肥大症が「がん」に進行することはありません。
前立腺肥大症とは?
前立腺は年齢を重ねるにつれて大きくなってきます。前立腺肥大症は60歳の男性で50%以上に、85歳までには約90%に認められます。
しかしそのすべての人に自覚症状があるわけではなく、症状が現れるのは前立腺肥大症のある人の4人に1人の割合です。近年高齢化が進んでいる日本では、前立腺肥大症の患者さんは増加の一途をたどっており、特に1995年以降急増しています。
前立腺肥大症を放っておくと尿閉という全くおしっこが出せなくなる危険な状態になる場合もあります。
前立腺肥大症があると飲酒やかぜ薬をのむと、排尿困難や尿閉を誘発しやすく、宴会の席などでお酒を飲み尿意があるのにトイレに行っても「尿が出ない!」といって激しい尿意に苦しむことがあります。
また、排尿障害を放置して症状がすすんでしまうと、知らないうちに腎機能低下をまねくこともあります。
- 前立腺の正常時の大きさはクルミ位ですが、前立腺肥大症になると、ニワトリの卵位、またはそれ以上の大きさになります。